📅 月曜日:💊 製薬ウォッチ
今週のスタートは、製薬・バイオ業界の注目ニュースをぎゅっと凝縮してお届けします。

🔬 FDA、CAR-T細胞治療の規制緩和へ

6月27日、FDAはがん治療に使われる自家CAR-T細胞免疫療法に対する「リスク評価・軽減戦略(REMS)」の適用を撤廃すると発表しました。
これまでREMSは、治療に伴う副作用や管理体制の厳格な運用が求められていましたが、実績が蓄積され、医療現場での運用が安定してきたことが背景にあるようです。

🔍 なぜ重要?
・CAR-Tは「第4のがん治療」とも呼ばれる注目分野
・REMSの撤廃により、中小病院でも導入しやすくなる可能性あり
・患者側から見ても、治療へのアクセス向上が期待される

CAR-Tを巡る規制緩和の流れは、今後**自己由来(autologous)→他家由来(allogeneic)**の治療開発にも波及するか、注目が集まります。

🌐 アメリカ人細胞の海外持ち出しにストップ

6月18日、FDAは**「国家安全保障上の理由から、米国人由来の細胞を敵対国で用いた遺伝子工学研究に提供する臨床試験を停止」**すると発表しました。

対象となるのは、中国などの特定国に拠点を持つ研究施設。細胞治療や遺伝子治療を巡る研究の加速と同時に、米国バイオ資源の流出に対する懸念が高まっていた背景があります。

🔐 背景にあるのは「バイオセキュリティ」
・細胞や遺伝子情報が「国家資源」として扱われ始めている
・米中間の科学技術覇権争いが、医療分野にも波及
・研究者・製薬企業も「どこで誰と臨床を行うか」に一層注意が必要に

「バイオの地政学リスク」が顕在化し始めたニュースとも言えるでしょう。

💉 6月の新薬承認ラッシュ

日本国内でも、新薬承認が相次いでいます。

注目は、6月9日に承認された高血圧治療薬「Widaplik」
テルミサルタン、アムロジピン、インダパミドという3成分を1錠にした配合剤で、高血圧治療の“飲み忘れ防止”や“治療の簡略化”が期待されます。

📈 その他の承認トピック:
・糖尿病・腎疾患・がん領域での新薬も複数承認
・小児対象のワクチンや希少疾患の治療薬など、多様な分野で動きあり

💬 編集後記
CAR-Tのような先端医療が「特別な治療」から「手の届く選択肢」へと変化しつつある一方で、科学技術の進展には安全保障や倫理といった別のレイヤーの課題も伴います。
技術だけでなく、それをどう扱うか──その舵取りが、ますます問われる時代です。

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